丹羽 正行:1950年愛知県名古屋市出身。名城大学理工学部機械工学科卒業後、家業を継ぎ布団職人に。1986年技能グランプリ優勝・内閣総理大臣賞、藍綬褒章授章など数々の栄誉を受ける一級技能士。
丹羽 拓也:1978年名古屋市出身。大学卒業後、大手企業を経て2004年に家業に参加。職歴7年で技能グランプリ総合優勝・厚生労働大臣賞受賞、令和4年度「現代の名工」受章など、若き日本一の布団職人。
幻の布団
Niwa Masayuki / Niwa Takuya
4代目/5代目
丹羽 正行:1950年愛知県名古屋市出身。名城大学理工学部機械工学科卒業後、家業を継ぎ布団職人に。1986年技能グランプリ優勝・内閣総理大臣賞、藍綬褒章授章など数々の栄誉を受ける一級技能士。
丹羽 拓也:1978年名古屋市出身。大学卒業後、大手企業を経て2004年に家業に参加。職歴7年で技能グランプリ総合優勝・厚生労働大臣賞受賞、令和4年度「現代の名工」受章など、若き日本一の布団職人。
名古屋市に店舗を構える「丹羽ふとん店」は、創業64年の老舗であり、伝統の綿わた布団にこだわり続けています。4代目の丹羽正行さん(72歳)と、息子の5代目・丹羽拓也さん(44歳)が親子二代で布団作りに取り組み、技術を競い合いながらも支え合う姿勢が印象的です。全国各地から注文が殺到し、布団は予約から納品までに4〜5年待ちという“幻の布団”とも呼ばれています。
丹羽親子が作り出す布団は、羽毛や化学繊維が主流の現代において、あえて昔ながらの「木綿の力」を信じて仕上げられています。正行さんは全国の職人大会で技能グランプリと内閣総理大臣賞を受賞しており、拓也さんも若くして同大会で優勝、厚生労働大臣賞を受賞するという実績を持ちます。一枚の布団を日々手作業のみで作り上げる職人技と、一日に2~3枚という少量生産にこそ、品質への揺るぎない信念が宿ります。
「木綿布団の技術と文化を次の世代へ」と語る正行さんは、職人育成の指導にも力を入れています。一方の拓也さんは、父の技術を尊重しつつ、新たな挑戦を模索しており、日中の通常業務に加えて新しい製作方法や提案を日々模索しています。今年は岡山・倉敷の蔵を改装した宿からの依頼も受け、これまで個人客向けだった老舗が次のステージへと歩みを進めようとしています。親子で培われてきた「温かさ」と「職人の情熱」が、これからも多くの人々の眠りを支え続けることでしょう。